ヴィヴィアン・ウエストウッド VIVIENNE WESTWOOD:1971-(UK)

ヴィヴィアン・ウエストウッド VIVIENNE WESTWOOD:1971-(UK)

ヴィヴィアンウエストウッド(Vivienne Westwood)」についてUK発のブランド。ヴィヴィアン・ウエストウッドは1971年ロンドンのキングスロード430番地にショップをオープンさせ"パンク"ムーヴメントの火付け役マルコム・マクラレンと共に、ショップの常連客だった(2017年08月17日 最終更新)

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英国モードのカリスマ・ブランド。
いまとなっては1970年代におこったパンクが、20世紀後半の英国が生んだもっとも興味深い文化運動だったことはあきらかだろう。それは音楽やファッションのみならず、カルチュラル・スタディーズという人文科学の新しいスタイルの台頭とも深くかかわっている。そのスピリットはまた、東京・渋谷や大阪・アメリカ村などの日本のストリート・ファッションにも受けつがれている。
「パンクの女王」とよばれたヴィヴィアン・ウエストウッドは、パンク運動の真っただなかからファッション界に登場した。当時の英国の文化状況は、ロックミュージック史上、いやおそらく音楽史上もっともスキャンダラスなバンド、セックス・ピストルズの活動を記録したジュリアン・テンプル監督の映画『ノー ・フューチャl』(1999年公開)によく描かれている。
底なしの不況と社会不安にあえいでいた70年代の英国で、労働者階級の若者たちは鬱積する憤懣の吐け口をかろうじてロックミュージックにみいだしていた。そんななかで、ヴィヴィアンはアート・プロデューサーのマルコム・マクラーレンをパートナーにしてロンドンのキングスロード4310番地
に伝説的なブティック「レット・イット・ロック」をひらく。
そこに置かれていたのは、ボンデージ・ルックや鶏の骨が鎖で取りつけられたTシャツなどといったエクセントリックで挑発的な作品ばかり。店はその後、「トゥ・ファスト・トゥ・リブ・トゥ・ヤング・トゥ・ダイ」「セックス」「セディショナリーズ」と、新作を発表するたびに名と内装をかえるが、つねに音楽とファッションにしか関心のない、金のない若者たちのたまり場になっていた。店で一度盗みをはたらくと、それが入会儀式のようになって得意客になったという話からも、危険な雰囲気がわかる。
嗅覚の鋭いマクラーレンがそんなロック少年たちを組織し、売り出したのがセックス・ピストルズだった。75年にデビューするやいなや一気に音楽シーンの頂点に登りつめたかれらの活動期間は、たった26カ月、アルバム一枚。「俺は反キリスト、アナーキスト、・・・」「第三次大戦でもかまし
ちまえ・・・」「俺にもお前たちにもノー・フューチャー」などと、あらゆる既成秩序を罵倒するかれらの活動は、市民社会の猛反撃をうけ、公演を封じられ、挙げ句は中心メンパーのシドの麻楽の過剰
摂取による死で幕を引いた。
その間のこの若者たちの服装はといえば、衝撃的な自傷ファッションだった。
顔にも裸の胸にもピンを刺し、血がたれるまま。カラーのツンツンヘヤー。ボンデージ・パンツに病院のガーゼのシャツ。裂けた個所は安全ピンでとめ、頭にはハンカチをかぶる。
まさに反ファッションそのものだが、これはこのまま「セディショナリース」までのヴィヴィアン・ウエストウッドのスタイルだった。左右非対称のTシャツやパラシュート・トップなどは彼女の奇想の記念碑だが、一方で「王室好き」のところなどもセックス・ピストルズと共通しているのがおもしろい。ピストルズが女王在位25周年に放送禁止になった「ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン」を発表し、鼻に安全ピンをピアスした女王の顔をジャケットにすると、「セディーショナリーズ」はそのさまざまなバリエーションをシャツにしている。また、ヴィヴィアンのロゴマークのオーブ(十宇梨つきの宝珠にサテライトをつけたもの)というのも英王室が使用する王権の象徴である。もちろんこれもまたひとつのアイロニーでありパロディーなのだろうが、英国の伝統的なものへの関心は、ツイードやタータンなどへの好みとして繰り返しあらわれる。
このように、ヴィヴィアン・ウエストウッド抜きのパンクも、パンク抜きのヴィヴイアンも語ることはできない。しかし、デザイナーとしてのヴィヴイアンの真価が発揮されたのは、マクラーレンと別れ、パンクが退潮してからかもしれない。81年ショップを「ワールズ・エンド」に改名し、「パイレーツ」コレクションを発表し、評判をとる。翌年にはパリ・コレクションに進出、その名を不動のものにした。時代
の変化にあわせて作品はゴージャスになり、伝統への回帰の傾向がみられるが、本来きわめて知的なデザイナーである彼女は、服飾の過去の遺産の要素を分析し、独自の解釈をくわえ、エロチックでユーモラスな取り合わせで人体のイメージを攪乱する。ミニ・クリニや厚底靴はそのほんの一例だが、物の旧来の用法や立味を破壊するパンクの精神は、縫製を最重視するといういまも彼女のどこかで生きているのだろう。
なお、ヴィヴィアン・ウエストウッドにはkyパリで発表される「ゴールドレーベル」のほか、プレタポルテラインの「レッドレーベル」、カジュアルラインの「アングロマニア」、メンズライン「マン」、フラグランス「ブードワール」、2001年1月発表の「リバティン」がある
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