ヴェルサーチ VERSACE:1978-(ITARY)

ヴェルサーチ VERSACE:1978-(ITARY)

「ヴエルサーチ」は、『ミラノの3G』(他の二人はジャンブランコ・フエレ、ジョルジオ・アルマーニ)の一人といわれたジャンニの衝撃的な死を乗り越え、生前にも増して、最も革新的で、華麗で、豪奢なファッションを創造し続けている。(2017年08月17日 最終更新)

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ヴェルサーチ
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1946年、創始者ジャンニ・ヴエルサーチは古代ギリシアの植民都市であったイタリア南部のレッジョ・カラブリアに生まれる。高校卒業後、母親が経営していた家業の縫製業に興味を持ち、ロンドン、パリに頻繁に出かけながら、次第にファッションのキャリアを積み上げていく。ヴェルサーチの天性の資質を思い起こさせる少年時代の思い出話がある。
「母はあそこの前を詰めて、こっちの後ろ側をもう少し伸ばすすだろうな。それから何か変わったことをするだろう。案の定、思った通りにことは述んだ。子供のうちから何かが芽生えていたのだ」
1972年、ミラノに移った後、カラガンやジェニーのデザイナーとして次第に頭角を現していった。1978年、独立。「ジャンニ・ヴェルサーチ」を誕生させるとともに、ミラノで最初のレディス・コレクションを発表する。以後、ヴェルサーチは、華麗で、”豪奢そして官能的で魅惑的な衣裳を創造し、世界で最も自由で” 何ものにもとらわれない、豪華なファッションを創造する世界的ブランドとして高い評価を受ける。彼は、不朽のスタイルを構築するよりも自由を愛しつづけ、シーズンごとに自己革新を続け、新しいファッションを創造してきた。ヴェルサーチは自らの創作哲学を次のように述べている。
「スタイルを身につけたからどうだというんだ。誰も彼もが寄ってたかって、同じようなことをさせようとする。だが私は昨日したことを今日しようとは思わない。スタイルに限界があるなら、私が立ち向かえるただ一つの方法、それはスタイルを超えて突き進むこと、スタイルから、そして自分から逃亡することだ」
ヴェルサーチのファッション哲学は、彼の『ZからA』に至る逆さまなアルファベット観から生まれている。言うまでもなく「Z」はアルファベットの最後の文字であり、完結、終了を意味する言葉である。しかし彼は「Z」を、時代を変える出発点と考え、既成の概念、伝統、因習にとらわれない新しいファッションを視覚的( 「V」=Visibilitの略)に創造しようと試みる。またヴェルサーチは、「T」は「Trazione
(伝統)」、即ち黙殺するために知らねばならないもの、切り捨てるために愛さねばならないもの、伝統を裏切ることで、再び伝統を生み出すと述べている。従って、彼の作品には常に伝統と革新、古典と前衛、西洋と東洋、キリスト教と異教の神々、優雅と野蛮、都市と地方、レトロと現代、男性と女性、原色と中間色、暖色と寒色、そしてファッションと美術などの正反対のスタイルが揮然と一体化して表現されている。彼は「伝統を黙殺し、革新を生み出す」という哲学を経軸にしながら、東洋、前衛、現代を緯軸として、性的で官能的な新しい女性像を大胆に提案してきた。1978年にミラノ・コ
レクションにデビューして以来、ヴェルサーチは、時間、空間を超越して革新的なファッションを創造し、新しい時代に相応しい女性を作りつづけてきたのである。
「ヴエルサーチ」のシンボル・マークであるかメドゥーサはギリシャ神話に登場する、美しい顔に髪の毛一本一本が蛇身である醜い容貌をした妖怪である。メドゥーサは王子イアソンによって殺害されるが、斬首されたメドゥーサの首から、あの美しい天馬ペガサスが誕生するのである。ヴェルサーチは何故かこのメドゥーサに強く魅了された。「醜」から「美」を生みだしたメドゥーサが、ヴェルサーチの「美」を創造する心情に強く訴えるものがあったのであろうか?
1979年、ヴェルサーチは、ブランド・イメージを高めるため写真をリチャード・アヴェドンに依頼。以後、アヴェドンは華麗なヴェルサーチ・ファッションを格調高い優雅な映像によって、一層魅惑的に増幅していく。こうして官能的で、豪奢な魅力を秘めたヴェルサーチ・ブランドの伝説的神話が誕生する。
1982年以降、ヴェルサーチは、アノニマスなファッション・クリエイトに飽き足らず、オペラ、バレエなどの舞台衣装を積極的に手掛けるようになる。リヒヤルト・シュトラウスの『ヨセフの伝説」、マーラーの「愛と哀しみでモーリス・ベジャlルの創作バレエ『ディオニソス』『マルロー、あるいは神々の変貌』など、彼は自らのコスチュームによってバレエの登場人物像そのものを作り出すことに深い関心を
もっパフォーマンス・アーティストに変容していく。
そして1997年の突然の死。
現在、ヴェルサーチの妹のドナテッラ・ヴェルサーチが「ヴェルサーチ帝国」を率いている。ドナテッラは1993年から「ヴェルサス」の担当デザイナーとして創作に携わる傍ら、常に偉大な兄の側にいて、今までも重要な相談を受けていた。その彼女は、今やデザインだけに止まらず、マーケティング、流通、広告などのクリエイティブ・ディレクターを兼任し、「ヴェルサーチ」の全体を統括している。ちょうどメドゥーサから誕生した天馬ペガサスが天高く駈けるように、今、またヴェルサーチ・ブランドは一層天高く飛朔しはじめた。現在、世界で最も有名な王侯貴族、映画女優などを数多くの顧客にもつトップ・ブランドである。
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