ティファニー Tiffany & Co.1837-(USA)

ティファニー Tiffany & Co.1837-(USA)

ニューヨークを本拠地とする世界有数の高級宝飾品ブランド。ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すため6本の小さな爪で石を支える立て爪の「ティファニー・セッティング」の考案や、南アフリカで発見された世界最大級でかつ最高級品質のファンシー-イエロー・ダイヤモンドをカットした12カラットの「ティファニー・ダイヤモンド」を所有していることでも名高い。(2017年08月17日 最終更新)

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宝飾デザイナーの感性を積極的に取り入れ、ジャン・シュランベルジェをはじめ、エルザ・ペレッティやパロマ・ピカソなどを起用した。オープン・ハートやXモチーフのシリーズなどは、それぞれのデザイナーの持ち味も十分に生かし、幅広い客層に支持されている。
ティファニーの名がアメリカ国内だけでなく、ヨーロッパ中に轟くことになったのは、宝飾品にとどまらず、19世紀後半から20世紀初頭にかけての銀製品にもあった。それらは流麗な美しさで現在もなお色褪せず、コレクターの蒐集対象となっている。
ティファニーの創設は1837年。当時は高級宝飾店ではなく、創設者チャールズ・ルイス・ティファニー(Charles Lewis Tiffany:1812-1902)が友人J・P・ヤングと共同で開いた文房具を中心としたファンシー・グッズ店であった。間もなくヨーロッパの装身具を取り扱うようになり、やがて宝飾品
や金銀細工の製造業に転じ、チャールズは単独経営者となって一代でティファニーをニューヨーク随一の高級宝石店へと押し上げる。
ティファニーが傑出した宝飾品を生み出している製図の1つが、1955年にティファニーを買い取った実業家ウォルター・ホーヴイングの指揮の下で始まった宝飾デザイナーとのパートナーシップである。優れたデザインとそれを支える職人技が歴史に残る数々の作品を作り上げてきた。
また、ブランド名とともにデザイナー名を明確にすることによって相乗効果を生み出している。1955年からジャン・シュランベルジェ、74年からエルザ・ペレッティ、80年からパロマ・ピカソが専属契約を結び、ティファニーでの制作活動を開始している。ジャン・シュランベルジェが生み出した金とエナメルのブレスレットは、ジャクリーン・ケネディがん身につけていたため「ジャッキー・ブレスレット」
として知られることになった。エルザ・ペレッティの主な作品は、実際に花が挿せるような「ボトル」や骨の造形美に魅了されて生まれた「ボーン」、そして「オープンハーlト」など。自然のモチーフを多く取り入れた作風に特徴がある。パロマ・ピカソが最初にティファニーのためにデザインしたのが、キスをあらわす「X」モチーフ。カボション・カットのカラード・ストーンを賛沢に使用した「マルチ・カボショ
ン・ネックレス」など、力強く、イマジネーションに溢れるデザインをティファニーのために創作している。
現在も重要な部門となっている銀やブロンズの細工部門が設立されたのは、1848年。ティファニー独自の作品が創作されるのは、1851年に銀細工師エドワード・チャンドラー・ムーアをパートナーに迎えてからである。とりわけムーアが1867年に開催されたパリ万国博覧会で日本美術に魅了され、熱心な愛好者、収集家となってからは、ティファニーの作品にジャポニスム(日本趣味)の傾向が顕著になっていく。中でも1871年に作られた食器類は、アメリカの銀細工として初めて現れたジャポニスムの例であり、現在でも「オーデュボン」コレクションとして受け継がれている。
72年頃からはムーアの指導のもとに、日本的なモチーフの他、地の艶消しや、打ち出し模様、彫金による象篏などの技術を導入し、ティファニーの銀製品は高い評価を受けた。現在も小さなアクセサリーから食器類など、高い品質とデザインで広く知られ、ティファニーの一面を担っている。
チャールズの息子ルイス・コンフォート・ティファニー(Louis Cpmfort Tiffany:1844-1933)は芸術への造詣が深く、初代デザイン・ディレクターとして宝飾品を手掛けるとともに、別会社を設立して室内を色とりどりに飾ったステンド・グラス、幻想的な吹きガラス製の花瓶や壺などのガラス製品を生み出した。そのステンドグラスは、当時一般的な手法であったエナメルによる絵付けではなく、ガラスそのものの色彩と質感で表現し、ステンドグラスの革新をもたらした。立体的な視覚効果を得るために何枚もの色ガラスを重ね、ガラスを継ぐ鉛枠にも造形美を生み、数多くの傑作を残した。そして最も有名なのは、商標登録された「ファヴリル・ガラスFavrile Glass」である。古代ローマのガラスに魅せられたルイス・コンフォートが、自らガラスの試作を重ね、虹彩の光沢を持つガラスを考案したもの。この吹きガラスは、その伸びやかな特性と光沢を生かして、19世紀末の世紀末的な優美さ、
頽廃美に満ちあふれたアール・ヌーヴォー様式の花瓶や壺となって、いまなお幻想的な魅力をふりまいている。
ティファニーは、アメリカの発展とともに高級な宝飾品、銀製品、ステイショナリーから、品質と価値を維持しながら幅広い作品を扱うブランドに成長した。今やアメリカのみならず世界を代表するブランドとなった。その名声はどのような品でも、ティファニー・ブルーの箱に入ったティファニーというブランドの輝きと共に、世界中の女性の憧れを掻き立てる。映画『ティファニーで朝食を』で主人公ホリーが、ニューヨーク五番街にある本店のウインドー越しに憧れの眼差しを投げかけていたように。